日本FIT会


2012年3月21日
FIT特別セミナー「グローバル時代の人材育成とJapan Fashion」
開催

 

FIT特別セミナー「グローバル時代の人材育成とJapan Fashion」は、おかげ様で非常なご好評をいただきました。参加頂いた方々に御礼を申し上げるとともに、応募者が定員を遥かに超えたため、やむをえずお断りさせて頂いた方には、心よりお詫びを申し上げます。

 

セミナーでは、まず後援を頂いたJFW理事長三宅正彦氏により、今回の東京ファッションウィークの意欲的な新企画への期待と、震災1周年を期して日本にエールを送るため来日したFIT学長以下6名への謝意、がのべられました。

 

 

セミナーの講師は、(株)ファーストリテーリングの柳井正会長兼CEO、FITのジョイス・Fブラウン学長、FITミュージーアムのヴァレリー・スティール チーフ・ディレクターでした。講演の内容については、講師別に担当幹事がご報告しますが、はじめに全体として特に私の印象に残ったことを、まとめてお伝えします。

 

 

●柳井正氏の講演「日本企業及び日本のプロフェッショナルはどうあるべきか」のメッセージは、「東日本大震災が新しい日本を作る絶好のチャンスなのに、日本では何も変革が起きていない」。「どんな時にも、個人と企業は生き残らないとだめ。そのためには『世界に出てゆく』、『アジアの時代をテコに』、『限界を設けるな。荒唐無稽の事を考えよ』、『人と違うことを恐れるな』、『他からどんどん学ぶべし』、『スピードが不可欠』、『日本の強みを知り、誇りを持って臨め』、『成功にはブランディングが不可欠。商品だけでなく企業・想いを語れ』でした。

講演の詳細 – 1

 

 

●ブラウン学長のテーマは「次代を担う人材をどうつくるか―FITの革新的取り組みは」。学長はFITの強みが、創立時からの「業界との密接な連携」と「一般教養の重視」にあるとし、急速に変化するファッション関連産業(ライフスタイル産業)に対応してカリキュラムや教育内容・手法を大きく変化させている事例を紹介。特に2020年へむけた戦略ビジョンの5つの目標、そのための「未来の教授陣」に求める5つの資質、について熱っぽく語られました。「2020年に入学する学生は今8歳。彼らに何を、どう教え、どのような成長を促すかは、いま真剣に取り組むべきこと。戦略目標を着実に実行にうつしている」。

講演の詳細 – 2

 

 

●ヴァレリー・スティール氏は「外国人が見る日本ファッションの誇るべき強み―そのマーケティング方法は」の演題で、日本が平安時代から「ファッション」を褒め言葉として使ってきた先駆的文化であること。歴史を見ても、わび・さび、粋、鹿鳴館が象徴する西洋服の戦略的導入、戦後台頭した若者文化とファッション族など、世界でもユニークな美意識と洗練度を持つ強みに言及。日本デザイナーの創造力を商品化しマーケティングするためのヒント(世界的人気のポップカルチャー活用も含め)を紹介。外国人が買いたいのに、買える場(手段)がない、サイズが無い、情報が無い、では誠に残念、と強調されました。

講演の詳細 – 3

 

 

 

日本FIT会では、これからも、業界にお役に立つプログラムを企画したいと考えています。
今後ともどうぞよろしくお願いいたします。

日本FIT会会長
尾原蓉子

 

 

今回のセミナーにご参加いただいたのは、一般企業人、FIT卒業生、学生、教育機関関係者およびマスコミ関係者など広範囲な分野の方々で、出席者数は当初予定の人数をはるかに上回る総勢160名に及びました。
なお、当セミナーの様子はU-Streamを介しリアルタイムでニューヨークにも送られ、現地の2会場に集まった200名を超えるFIT学生、FIT関係者および業界の方々にも視聴されました。
今回のセミナーは、FIT本校が国外の同窓会組織の協力を得て行う初めての試みとして、企画時より学校内外で大きな注目を集めるとともに今後のFITおよび日本FIT会の活動に関し新たな可能性を示唆するものとなりました。

セミナーの概要および講師の略歴は、このpdfファイルをご覧ください。

 

 

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